鳥のうつ病闘病記 ~その③~
この闘病記について▼
前回までのお話▼
「疲労」というものについて、
心身に異変が起きてからうつ病等について調べると、「疲労」や「
初めて異変を感じる日の前日までは夏休みだったので、通常なら「
鳥は教師の一大イベントの夏休みを当然好きなように使った。
当時の鳥は、自己研鑽に余念がなかった。
具体的に何をしていたかと言えば、
教師の研究会は必ず出席しなければならないようなものでなく、
その時の鳥にとって、それらの活動全てが全く苦ではなかった。
心身に異変が起きた原因はそれしか考えられなかった。
実際それらの活動は、
疲労をまったく感じなかったわけではない。しかし経験上、
――暗い自室で布団にこもり、
微熱で仕事を一日休んだ翌日である。もう熱は引いていた。
かろうじて校長には電話で連絡できていた。
その翌日も仕事へ行くことができなかった。この日は、
寝ているのか寝てないのかもわからない。何もする気は起きない。
職場から電話がかかってきた。当然出る気はない。
しばらくしてから留守電を聞くと、その週は全て忘れて休むようにと副校長からの連絡
喉が渇いても何も飲まず、腹が減っても何も食わず、
家のチャイムが鳴る。モニターがついているので、
驚いた鳥は、すぐにモニターフォンに出た。
「こ、校長先生!?」
「おう」
「どうされたんですか!?」
「様子見に来たよ。部屋入れてくれ」
「え。いや、その、部屋は散らかっていて・・・」
唯一現状をすべて打ち明けていたが、
「汚くていいよ。もとから綺麗だなんておもってないから」
失礼な。でもそれが校長だった。
渋々鳥はドアを開け、校長を部屋に上げた。
校長は部屋の入り口にあぐらをかいて座り、
「横になっていいよ。しんどいだろう」
「あ、はい…。ありがとうございます…」
言葉に甘えて、鳥は布団に入った。
「連日休んでしまってすみません」
「いいよ。気にせずゆっくり休みな」
校長は大きな買い物袋を自分の前に出した。
「色々買ってきたよ。どうせ何も食ってないんだろ」
なぜかすべてバレていた。
「牛丼買ってきたけど、食う?」
「あぁ、はい。ありがとうございます」
正直食べたい気分など一ミリもなかったが、
まだ温かい牛肉を口に運ぶ。
「あ・・・美味い・・・」
「そうだろ。美味いんだよ」
本当に美味しかった。こんな美味い牛丼は食べたことがない。
「食うことは美味いんだよ。食べれて良かったな」
温かかった。
校長とは親しくない。今この瞬間も緊張はしている。
なんでだろう。職員だから?それもあるだろうが、
正直、職場に来るように促されるのかとも思った。
クラスの子どもの様子を名前を挙げながら教えてくれた。
職員には全員に周知したようだ。精神的なものだったので「
鳥は終始緊張していたので、
校長の話なんて、子供が聞くと逃げそうなものだが、
30分程して、校長は帰ることになった。「また来るよ」
一人になった部屋を見渡し牛丼の味を思い出しながら、